幸せと“万能” ー真面目な人ほど辛いものー
ドラマや漫画に必ず出てくるキャラクターのひとつに、万能人というものがあります。
彼らは頭がよくて、スポーツができて、料理が上手で、周りの人から好かれ、尊敬され、ありとあらゆる能力を持っています。
そして、世の中のありとあらゆることを知り尽くし、できないことを見つけることが唯一のできないこと、というまさしく万能人です。
彼らが出てくるたびに、自分もそうであればさぞかし幸せだっただろうなと、ため息をついたことは誰しもあると思います。
失恋、失敗など、なにかうまくいかない時は、なおさらでしょう。
しかし、ここでひとつ考えてみることが大切です。
あなたの友人に、万能人はいるのでしょうか?
友人でなくとも、知り合いでも、一方的に知っている芸能人でも構いません。
全てを完璧にできる人など、本当にいるのでしょうか?
そもそも、全てを完璧にできる必要はあるのでしょうか?
文武両道という言葉があります。
文武両道の人は、周囲から非常に尊敬されます。学生の頃ならば、周囲の人気を一身に獲得していたでしょう。そして彼らは、その尊敬と羨望を背景に、幸せで充実した日常を送っていたはずです。
それでも、文武両道の人ができるのは「文」と「武」のたった二つなのです。
つまり、全てを完璧にできるわけではないのです。
たった二つをしっかりできるだけで、彼らは幸せを手に入れています。
たった二つでいいのです。
万能を目指すことが悪いことだとは、ぼくは全く思いません。
むしろ向上心に溢れて、野心に燃えて、さらに成長しようとする。なんと素敵なことでしょうか。
でも、万能にならなくたって、幸せになることはできます。
裁縫でも、料理でも、運動でも、もしかすると食べ歩きでも、なんだっていいのです。
大人になってしまえば、学生の頃の「文」と「武」のような、明確な基準はないのですから、自分の得意なことを二つ、まずは極めてみませんか。
人はみな、自分の得意なものを持っています。
他のことができないからと、自分が得意なことに目を瞑ってしまってしまう人もいますが、それは本当にもったいないことです。
自分が好きなこと、得意なことをしっかりできれば、他の人は努力を認めてくれます。
万能人ではなくたって、幸せは掴めるのです。