“不安依存症”vs幸せ ー恐怖と不安の背景にあるものー
ぼくがこの項目でお伝えしようと思ったのは、ある友人からの相談でした。
その友人は遠距離恋愛をしていて、友人はぼくと同じ東京の大学に、その彼氏は北海道に住んでいたのです。
彼女らは高校生の頃から付き合っていましたが、彼氏は長年の夢だった獣医になるという夢を叶えるために、北海道にある大学に行ったそうです。
もちろん遠距離恋愛はとてもつらいものですから、その友人もとても悲しかったそうですが(あたりまえですよね)、彼氏の夢を応援するために遠距離恋愛を受け入れたそうです。
とても尊敬に値する人だと、友人ながら思います。
さて、本題に入りましょう。
その友人の相談とは、「彼の気持ちが離れてしまっていっている気がして不安で不安で寝られない」ということでした。
それを聞いたぼくは、彼氏からの連絡の頻度が低くなってきたり、電話した時の対応がそっけなくなってきたりしたのかな、と思いました。
しかし、より話を聞いてみると、そういう問題でも無さそうなのです。
おそらく彼氏のほうも、応援して北海道に行くことを認めてくれた彼女に感謝の気持ちがあったのでしょう。
ビデオ通話ができる時代ですから、付き合っていた高校生の時と同じくらいか、もしかするとそれ以上の頻度で連絡を取り合い、話を聞いてくれているそうなのです。
もちろん実際に会って触れ合うことと、ビデオ通話とではその温もりは違います。
ですから、北海道と東京と決して近い距離ではありませんが、月に2回ほど東京に会いに来てくれるそうです。
それでも彼女は不安で仕方がないそうなのです。
話を聞く限り、離れ離れで暮らしていますが、心はしっかりと繋がっています。それにも関わらず、なぜ彼女は不安になってしまうのでしょうか。
それは彼女が、勝手に離れ離れで暮らしていることを不安に変換してしまっているからです。
この“勝手に不安に変換”してしまう人のことを、ぼくは不安依存症と呼んでいます。
仕事は上手くいっているのに、失敗するのではないかと不安になったり、あるいは親友といろんなところに遊びに行っているのに、陰口を叩かれていると思い込んでしまったりということが、似ている状況として挙げることができます。
こうした不安の多くは、とても真面目で、謙虚な人に多い傾向があります。
真面目で謙虚な人は、自己肯定感が高くないため、なかなか自分のことを認めてあげることができません。
その向上心は素晴らしいのですが、ことさら不安に関しては、非常に危険な状況です。
知らず知らずのうちに、その“不安な状況”にいるように自分の中で仕向けてしまっているのです。そうして常に周りの状況を不安だと思い込んでしまい、不安依存症になるのです。
この不安依存症の本当に怖いところは、その不安が現実になりやすいというところにあります。
人間というものは、いつも思っていることに自分の行動が支配されてしまいがちです。
では、いつも不安に思っている人の行動はどうなるでしょう。
ネガティヴな雰囲気を纏って、自分を責めたり、他人を責めたりしてしまいますよね。
そうすると、自分も周囲の人も暗い方向に向かってしまいます。
言い換えれば、不安が現実のものとなってしまうのです。
では、こうした状況から抜け出し、現実を明るいものにするにはどうすればいいのでしょうか。
それは自分の不安を受け入れること、すなわちありのままの自分を受け入れることなのです。
まず、自分の考えていることを知りましょう。
親友が陰口を言っているかも、仕事が上手くいかないかも、試験に落ちるかも、なんでもいいのです。思っていること、どうしてそう思っているのか、全部思いのままに書き出してみましょう。
それがあなたの考えていることなのです。素晴らしいと思います。まずは、あなたが思っていることを受け入れてあげてください。どんな不安だって、あなたの一部なのですから、それを尊重してあげてください。
ですが、それに踊らされる必要もないのです。
自分のネガティヴなところを受け入れたら、人は強くなることができます。
そして、受け入れたことで、今度はネガティヴな思考を改善していくことができるのです。
深呼吸をして、思考を改善してみてください。
思考が改善されたならば、同じ理屈で行動も変わっていきます。
行動が変われば、現実もどんどん明るいものに変わっていきます。
人はみな、素晴らしい現実を手に入れる力を持っています。
あなたも例外ではありません。大丈夫です。不安な自分を一度認めてあげて、それを改善していく、それだけで一歩を踏み出すことができるのです。